
日本人の多くは”English speaker”と聞くとあたかもネイティブさながらの英語を話す人を連想するかもしれません。
・・・というより、”English speaker”と名乗る以上そうでなければならないというある種の強迫観念を覚えるのではないでしょうか?
もちろんすべてのかたがそう考えているわけではないとは思いますが。
なので英語を学び始めると、 「とにかくネイティブに近づかないといけない!」 「ネイティブに教わらなければならない!」 「そうでなければ”English speaker”とは言えないじゃないか!」 自身も周囲もそんな考えに陥りがちです。
なぜそう考えてしまうのか?
確実な答えはわかりませんがそれは日本の歴史や文化、もしかしたら島国で生きる生物の遺伝子に起因しているのかもしれません。
日本の英語教育の現場に15年以上携わり、なぜ日本人がそう考えてしまうのか・・・それなりの理由が少し見えるようになりました。
一番大きく感じるのは「恥ずかしさ」「成功体験の少なさ」「自己と他者への厳しさ」の3つです。
まずは「恥ずかしさ」。
幼少期はネイティブさながらの発音だったのに小学校へ上がり思春期を経ると途端に周りに合わせてカタカナ英語になっていくタイプ。間違えを恐れて自分の不完全な英語をアウトプットするのを恥ずかしく感じるタイプ。 色々な要因から英語を話すことに恥ずかしさを覚える人が少なくないです。
後述する自己と他者への厳しさにも関連する部分がありますが、人と違った発音をすることや中途半端な英語を発することに恥ずかしさを覚える人が多くいると感じます。
次に「成功体験の少なさ」。
今でこそインバウンドにより外国人観光客が増え、接する機会が増えましたが一方でいまだまったく英語を使う機会がないかたがいるのも事実です。そのため「英語を使って通じた!コミュニケーションが取れた!」というような成功体験がない、あるいは少なく、最低でも中学校時代(今は小学校時代も加わりますが)から高校時代という長い期間英語を学んできてそれなりの基礎があるにも関わらず英語を使うことに自信が持てないのです。
最後は「自己と他者への厳しさ」です。
学び始めは自信がないのはもちろんのことですが、学び進めるとなぜか徐々に自分のみならず他者の使う英語へも完璧さを求めていき、それゆえネイティブ信仰のような「本物の英語じゃなきゃ!」という考え方が芽生えてしまうのではないかと感じます。不思議なことにこれは上級者になるほど他者へは寛容になり自己に厳しくなる傾向があります。それでもやはり基準やゴールが「ネイティブスピーカー」であるのではないでしょうか。
これらの理由に善し悪しをつけることはできませんが、身に覚えがあるかたには少なくともこれが英語力向上の妨げになっていることに気づいてほしいです。
昨今diversity(多様性)への理解により日本人の間にも自分と異なる他者に対し受容する姿勢が寛容になってきていますが、まだまだそうではない部分も多いです。
英語力の向上を目指す学習者のみなさんには是非そういった寛容さを最優先で持ち合わせてほしいです。
そして他者への寛容さを持つためにはまずは自分を受け入れる必要があることに気づいてほしいのです。
言語の持つ役割はコミュニケーション(意志伝達)をとること。
周りからどう見えるかではなく、
自分が自分の使う英語に向き合っているか。
どう向上して、どう使っていくか。
それがきちんと見えているか。
ノンネイティブEnglishspeakerとしての自信と誇りを持つために。
先へ先へと目指していく前に、まずは自己肯定=自分を受容していくことから始めてみませんか。

Veritas Coach
Mika Nakajima
Mika first encountered English as a preschooler and has began studying English since then. She majored in English Linguistics at university, where she studied phonetics and literary translation with a passion. She then moved to London to study Japanese language teaching methods for English speakers and spent some time in Cork, Ireland. After returning to Japan, she became an English teacher and has taught English to a wide range of students from preschoolers to those preparing for university entrance exams. On the other hand, she has been teaching Japanese to English speakers living in Japan. She was attracted to Veritas’ mission to improve Japan and joined Veritas to help motivated business people.
She understands the challenges of learning English as a second language and is eager to learn with as many English learners as possible.