2025.08.13 Japanese coaches | ベリタス(VERITAS)

ノンネイティブEnglish speakerとしての自信と誇りを②~カタカナとの決別・read out(音読)の重要~|スタッフブログ|ベリタス(VERITAS)

言語を学ぶ上でのアウトプットの一つとして「read out(音読すること)」はとても重要なのですが、地味かつ「声を出す」必要があるプラクティスのため軽視されがち、あるいは状況を選ぶため後回しにされがちで、また避けられがちです…。

ですが!
ノンネイティブである日本人の私たちにはread outはかなり重要であると私は考えています。

今回はread outの重要性とその効果について再認識していただきたいと思い取り上げることにしました。

まず、なぜ音読が重要なのか。
それは言葉は音に出して初めて「コミュニケーションの一部分」としての役割を果たすからです。
文章を目で追って意味を把握することはできますが、それだけでは個々の持つ音を認識できず、他者が話す「音」を認識できないのです。また実際にくちに出して言わないことにはいざ使おうというときに会話で自然に出てこず、舌がこんがらがってしまうかもしれません。

私たち日本人はローマ字表記を幼い頃から学ぶため、アルファベットの並びを見るとローマ字読みのカタカナで捉えがちです。ですので、英語の文章を見た際に頭の中で自然と英語をカタカナで読んでしまうことが身についてしまっています。
たとえばbagという単語。「バッグ」と読みがちですが実際のネイティブの音声を聞くとアメリカ英語の場合「ベァッグ」に近い読みになり、さらにいえばaの発音[æ]はカタカナでは表記できませんし、gも実際には「グ(g+u)」だとuという余計な音がついてしまうのです。

また英語の母音はSchwa sound(シュワー)と呼ばれる「あいまい母音」が大半をしめているのですが、これはカタカナ読みをしてしまう日本人の最大の見逃しポイント(ウィークポイントと言っても過言ではないかも!?)です。
“April”という単語をカタカナで読んでしまうと「エイプリル」となってしまいますが実際の発音ではこの”i”の発音記号はシュワー[ə]なので無理矢理カタカナ表記すると「エイプロゥ」のような音になります。

カタカナ(ローマ字)読みの弊害は発音だけではなく音節(syllable)にも関わってきます。
先に挙げた”April”ですがカタカナだと「エ・イ・プ・リ・ル」と5つの音節、英語だと”A・pril”(無理矢理表記すると「エイ・プロゥ」)なので音節は2つになります。アウトプットするときにカタカナの音節のまま発音すると数が多くなってしまうのです。

ですので、まずはここから脱却する意識を持って、注意を払いながらread outのプラクティスをして自分の発する「英語の音」を認識することはとても大事なのです。その点からいうと自身の話す英語を録音して聞くことも、カタカナ英語を脱するためにとても効果なプラクティスだといえます。

音読の重要性のもうひとつの点は、実際に音として発せられる際に起こるふたつの音が連結するLiaison(or Linking)やElisionという音の脱落を認識できることです。これは自身が話す際により英語らしく発音できるとともにリスニングにおいてとてもパワーを発揮します。というのは、本来2つ以上の単語で書かれたものがひとつの音として発せられることが多々あるからです。これを知っていると知らないでいるのでは大きな差が生まれます。
たとえば”talk about it”を普通にカタカナ読みすると「トーク アバウト イット」となるところが実際には「トーカバリッ」くらいの短いひとつの塊のように聞こえるのです。英語が速く聞こえる理由のひとつですね。スピードだけではなく短く発されているのでさらに速く感じてしまうわけです。ですが自分がそれを意識して音に出すようになると、自然と耳から入る音もそう認識できるようになり、不思議と以前よりも速くは感じなくなるのです。

単語の発音がわからないものは辞書で発音やアクセント位置の確認をし、read outする練習は自身の発音やスピーチペース、またリスニング力をかなり向上させることができます。自分で発した音は必ず自分の耳に入ります。スピーキングとともにリスニングも同時にしているわけです。なので、正しい音読は正しい聴きとり力に繋がるのです。そこでさらに大事なのは「音量」です。小さな声で不明瞭に音読しても相手はおろか自分の耳にすら届かない。それでは意味がないのです。またスピードも自分の発する音をきちんと把握できるスピードで音読することから始める必要があります。いちから英語の発音用の筋肉を鍛えていくイメージです。最初からむやみにネイティブに近いスピード(筋トレでいうと重量や回数でしょうか)ばかり追い求めても意味がないのです。

最後にもうひとつ。「ノンネイティブ」にとって音読が必要だと思う最大のポイントがあります。
それは「ネイティブの感覚を養える」ということです。何度も、何個も、英文を適切なボリュームとスピードでくちにしていくうちにネイティブの使う自然な言い回しや表現に慣れていくのです。これはじっと文章を眺めていても、ただリスニングをしていても身につきません。くちに出して初めて、「ああこれは自然だ」「いやこんな言い方しないな」と自分のものになっていくのです。ネイティブにはなれないものの、感覚を近づけることはこのプラクティスで十分できるのです。これはライティング力を高めることにも繋がります。音読を重ねていくうちに次にくる動詞の単数や複数の判断もつきやすくなるからです。前置詞で迷うような表現、「あれ?この場合はto meだっけ?for meだっけ?」という悩みもかなり減っていきます。文法の解説ではわかりにくかった自動詞や他動詞の概念も徐々に身についてくるでしょう。

read outプラクティスによって感覚を養っていくと英語は「ツール」ではなく、自分の血となり肉となる。
そして自身の一部となるでしょう。

今は便利な時代です。
スマートフォンやタブレットを片手にお風呂の中でお好きな英文を毎日15分読み上げるだけ。
アウトプット(スピーキング)とインプット(自分の音を認識=リスニング)を効率よくできる、
一石二鳥なプラクティスである“read out”をしてみませんか?

Veritas Coach

Mika Nakajima

Mika first encountered English as a preschooler and has began studying English since then. She majored in English Linguistics at university, where she studied phonetics and literary translation with a passion. She then moved to London to study Japanese language teaching methods for English speakers and spent some time in Cork, Ireland. After returning to Japan, she became an English teacher and has taught English to a wide range of students from preschoolers to those preparing for university entrance exams. On the other hand, she has been teaching Japanese to English speakers living in Japan. She was attracted to Veritas’ mission to improve Japan and joined Veritas to help motivated business people.
She understands the challenges of learning English as a second language and is eager to learn with as many English learners as possible.