2025.12.20 Japanese coaches | ベリタス(VERITAS)

あいまい母音 ”Schwa sound” の重要性 ~The importance of the schwa sound~|コーチブログ |ベリタス (VERITAS)

ベリタスイングリッシュでは発音を非常に大切にしています。
意見をしっかりと伝えるためには、発音の明瞭さも大事だからです。

本クラス12回が始まる前に Foundation class という事前準備クラスをみなさんに受講していただきます。そこでは本クラスが始まる前に重要な個別音の復習とロジカルライティングの意識合わせなどをします。実はこのクラスでの振り返りは発音改善のキーとなり、目に見える効果があります。

発音のパートでは英語の重要・特徴的な音をピックアップして一緒にレビューするのですが、そこに出てくるのが “Schwa sound”(シュワー/あいまい母音)という母音です。

すでにご存じだというかたは体感1割くらいで、ほとんどのかたが「初めて聞きました」「聞いたことあるけど何かは説明できない」とおっしゃいます。
みなさん英語の学習歴が長いにも関わらず、です。

それは残念ながら日本での英語教育では音声学があまり浸透しておらず、そのために、このシュワーサウンドを認知しているかたが少ないのです。ですがこのシュワーこそが、英語を会得していく中で非常に鍵となる母音であり、これを理解することで発音がより明瞭になるのです。

このあいまい母音シュワーサウンドについては、以前のブログで少し触れたことがありますが、
今回は改めて

Schwa(シュワー)とはなにか。なぜこの音が重要なのか。

を見ていきたいと思います。

●シュワーサウンドとはなにか
シュワーサウンドは、英語において非常に重要かつ特徴的な母音です。
アクセントのない音節で現れる曖昧で弱い母音のことで、辞書で発音を調べた時に /ə/ で表されています。
私たちの「ア」に近い “uh” という音ですが、軽く口を開けてほとんど動かさず、短く、力を抜いて発音される母音のことです。 アクセントのない(弱音化) a, e, i, u, o, ou, y(母音としてのy)のつづりのどれもがこの音になりえます(子音の r を伴うこともあります)。

ではなぜこのシュワーサウンドが重要なのでしょうか?

● 英語のリズムのもと
すべての音節をほぼ同じ長さで発音し、高低でアクセントをつける日本語とは異なり、英語は「Stress-timed rhythm 強勢拍リズム(強勢のある音節は強く長く、強勢のない音節は短く弱く発音する)」の言語です。重要な音節(の母音)にアクセントを置きはっきりと発音されます。なので、それ以外の音節の母音はシュワーになることが多くなるのです。
同じような理由で情報を持つ単語の母音ははっきりと発音される一方で、機能語(冠詞、前置詞、接続詞など)の母音はシュワーに変化し、弱く短く発音されます。
そして、このアクセントの強弱が英語特有のリズムを生み出します。

●アクセントの位置を理解するため
シュワーが含まれる音節にはアクセントがありません。なので、それ以外の音節にアクセントが置かれるので、単語の正しいアクセント位置を覚えるのに役立ちます。
例えば、”melon” という単語は /ˈmel.ən / と発音され、後ろの o の部分がシュワー(/ə/)となり、前の e にアクセントが置かれるということがわかります。
(カタカナだとメロンと書かれるので “o” の音を意識してしまうと発音が違ってしまいます。メルンにちかい発音です)

●より英語らしい発音のため
英語を話すときにカタカナのようにすべての母音をはっきりと、等しい強さと長さで発音すると、棒読みのような発音になりがちです。シュワーを適切に使うことで、自然とリズムと抑揚が生まれ発音がより自然になり、英語として聞く相手にとっても理解しやすいものになるのです。

●リスニングスキルの向上
ネイティブスピーカーの会話では、多くの母音がシュワーに変化して発音されます。(スピードが速いほど多くなります!)
ですので、シュワーの存在と定義を理解して、その音に慣れることは、英語を聞き取る上で必須です。
シュワーの音を認識できないと、文字で見れば知っていて聞き取れるはずの単語や文の意味を聞き逃してしまうことがあるでしょう。

このように、シュワーサウンドは、単に「母音の中のひとつです」というのではなく、
英語のリズムやアクセントを置く場所を身に付けて、自然な英語を話す・聞き取るとなるためにとても重要な音なのです。

この弱くて曖昧な音 “Schwa sound” の存在を意識し、適切に使っていくことはあなたの英語スキルを大きく変えるといっても過言ではないでしょう。

早速シュワーを意識して発音・リスニングしていきましょう!

ベリタスイングリッシュ |中上級者向け 短期集中 ビジネス英語 コーチング

Veritas Coach

Mika Nakajima

Mika first encountered English as a preschooler and has began studying English since then. She majored in English Linguistics at university, where she studied phonetics and literary translation with a passion. She then moved to London to study Japanese language teaching methods for English speakers and spent some time in Cork, Ireland. After returning to Japan, she became an English teacher and has taught English to a wide range of students from preschoolers to those preparing for university entrance exams. On the other hand, she has been teaching Japanese to English speakers living in Japan. She was attracted to Veritas’ mission to improve Japan and joined Veritas to help motivated business people.
She understands the challenges of learning English as a second language and is eager to learn with as many English learners as possible.

新着記事

テーマ

人気記事